Linnovate、RAISE Technologies、VC Fund Controllers Networkが東京で業界リーダーを招き、日本の新たなエグジット戦略を議論

東京:Linnovate Asset Servicing Group、RAISE TechnologiesおよびVC Fund Controllers Network(VCFCN)は、東京アメリカンクラブにて「Japan Weeks 2026: Japan’s New Exit Era: Rethinking Alternative Investments – Growth Beyond IPOs」を開催した。本イベントには、ファンド運用会社、投資家、業界専門家が集まり、日本のプライベート市場の変化と今後の展望について議論を交わした。

多くの未上場企業にとって、従来のIPO(新規株式公開)によるエグジットが難しくなる中、本イベントでは、M&A(合併・買収)やセカンダリー取引へのシフトに焦点を当て、こうした変化がGP(ファンド運用者)、投資家、ファンド運営に与える影響を多角的に検証した。

パネルディスカッション1:

「100億円IPOの先へ:変化する日本のオルタナティブ投資におけるエグジット戦略」

第1部では、Minerva Growth PartnersのVice President, Strategic Operations & Investor Relationsを務める伊藤実希氏がモデレーターを担当。パネリストとして、J-STAR株式会社の代表取締役社長兼マネージング・パートナー、投資委員会議長のGregory Rokuro Hara氏、三井住友信託銀行のイノベーション企業推進部 企画推進チーム長の澤村浩之氏、株式会社ケップルグループの代表取締役CEOの神先孝裕氏、WiL(World Innovation Lab)のパートナーである大西健史が登壇した。

議論では、東京証券取引所による近年の市場改革が、スタートアップや成長企業、バイアウト投資先のエグジット戦略にどのような変化をもたらしているかが取り上げられた。IPOが必ずしも最優先の選択肢ではなくなる中、M&Aやセカンダリー取引の重要性が高まっており、GPがこうした多様なエグジット手段を見据えて、ポートフォリオ構築や投資回収戦略をどのように見直しているかについて意見が交わされた。

また、海外投資家や買収企業の視点から日本市場を捉え、日本の投資機会を評価する際に重視される要素についても議論が及んだ。

モデレーターを務めた伊藤美紀氏は、次のように述べた。

「IPO、M&A、セカンダリー取引が活発化する中、日本のスタートアップや成長企業にとって、最適な株主を選択する機会が広がっています。ファンドにとっても、IPO支援だけでなく、企業の成長段階や状況に応じて、何が最も必要とされているかを考えることが重要です。今回のセッションでは、バイアウト、ベンチャーキャピタル、セカンダリー投資、LPなど、異なる立場からの視点が共有されました。今後も投資戦略や成長段階、投資規模の垣根を越え、日本のプライベート資本市場の発展に向けた議論を深めていければと思います」

パネルディスカッション2:

「変化するオルタナティブ投資環境におけるファンド運営のあり方」

第2部では、Linnovate Asset Servicing Groupの創業者兼CEOであるHenry Linがモデレーターを務めた。パネリストには、Diagonal, Inc.の創業者兼CEOであるKen Kuga氏、Endeavour United株式会社のInvestor Relations Directorである田中成篤氏、Harneys’ Funds & Asset Management GroupのパートナーであるYucheng Fan氏が登壇した。

本セッションでは、投資保有期間の長期化や取引スキームの高度化が進む中、ファンド運営体制に求められる変化について議論した。

特に、NAVファイナンス、コンティニュエーション・ビークル(継続保有ビークル)、その他のストラクチャード取引の活用が広がる中、これらに対応するバックオフィス体制や実務上のベストプラクティスが主要な論点となった。

また、クロスボーダーでのファンド管理、コンプライアンス、規制当局向け報告など、複雑化するファンド構造に伴う実務上の課題にも焦点を当てた。ファンドコントローラーや財務・経理部門に求められる役割が拡大する中、業務体制の高度化や効率化をどのように進めるべきかについて意見が交わされた。

さらに、テクノロジーや自動化がファンド運営の近代化に果たす役割についても議論が行われた。

Linnovate Asset Servicing Groupの創業者兼CEOであるHenry Linは、次のように述べた。

「日本におけるエグジット手段が多様化する中、ファンドを支える運営基盤の重要性はこれまで以上に高まっています。IPOに加え、M&A、セカンダリー取引、コンティニュエーション・ビークルの活用が広がることで、GPは投資保有期間の長期化や複雑なファンド構造への対応を求められています。同時に、投資家からは、より高い透明性と正確な情報提供が期待されています。こうした環境では、ファンドコントローラーや財務・経理部門の負担が増大しており、テクノロジーと自動化がその課題を解決する重要な役割を担うと考えています。今回、登壇者の皆様から貴重な知見を共有いただいたことに感謝するとともに、今後も日本のファンド業界の皆様との対話を深めていきたいと考えています」

今回のJapan Weeks 2026を通じ、日本のプライベート市場が新たな局面を迎え、エグジット戦略とファンド運営がこれまで以上に密接に結びついていることが浮き彫りとなった。

GPが多様な流動性確保手段を取り入れる一方、投資家からは情報の透明性、迅速性、正確性に対する要求が高まっている。こうした変化に対応するため、テクノロジーや業務自動化を活用し、ファンド運営体制の高度化を図る動きが今後さらに重要になると考えられる。

本イベントは、Japan Weeks 2026の一環として、Linnovate Asset Servicing Group、RAISE TechnologiesおよびVC Fund Controllers Network(VCFCN)が共催した。

Linnovate Asset Servicing Groupについて

Linnovate Asset Servicing Groupは、オルタナティブ投資業界のイノベーションを推進する資産管理サービスプロバイダー。ファンドのライフサイクル全体を通じて、ファンドアドミニストレーション、インベスター・リレーションズ(IR)、規制対応・コンプライアンス、ポートフォリオモニタリング、レポーティング、テクノロジーコンサルティングなど、幅広いサービスを手掛ける。

これらのサービスを支えるのが、独自開発のクラウド型プラットフォーム「RAISE」であり、オルタナティブ投資に関わる各種業務を単一のエコシステムに統合。世界13拠点に事業を展開し、800以上のオルタナティブ投資ファンドを対象に、総額1,400億米ドル超の資産を管理している。

RAISE Technologiesについて

RAISE Technologiesは、Linnovate Partnersのテクノロジー部門として、オルタナティブ投資業界向けのテクノロジーソリューションを提供する。

金融分野における専門知識と先進的なテクノロジーを融合し、ベンチャーキャピタル、プライベートエクイティ、不動産ファンド、ヘッジファンドなどを対象に、ファンド管理システム、投資家向けポータル、ポートフォリオモニタリング、レポーティングなどの機能を備えたクラウド型プラットフォーム「RAISE」を展開。

現在、RAISEのエコシステムは1万人以上のファンド運用者および投資家が利用し、関連資産規模は2兆米ドル超に達する。業務の自動化と技術革新を通じて、オルタナティブ投資におけるファンド運営の高度化を目指す。

VC Fund Controllers Network(VCFCN)について

VC Fund Controllers Network(VCFCN)は、2022年に設立された一般社団法人で、日本国内のベンチャーキャピタル(VC)およびコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)のファンド運営に携わるファンドコントローラーや実務担当者を対象とした業界ネットワーク。2026年10月時点で会員数は230名を超え、実務知識の共有、業界全体の専門性向上、会員間のネットワーク構築を支援する。

会員向けにセミナーや交流会などの学習・情報交換の機会を提供し、コンプライアンス、ポートフォリオ評価、インベスター・リレーションズ(IR)、リーダーシップなど、幅広いテーマを取り扱う。体系的な学習や実務担当者同士の情報交換の機会が限られてきたファンド運営の分野において、会員が専門知識を深め、同業者とのつながりを築くための貴重な場となっている。